戸籍の広域交付でできないこと
戸籍の広域交付は、請求できる本人が、市区町村の窓口に行く場合だけ使えます。委任状による代理、郵送、コンビニでの取得はできません。兄弟姉妹の戸籍、戸籍の附票、一部事項証明書(いわゆる抄本)も対象外です(法務省、相模原市)。
広域交付で取れないものは、これまでどおり本籍地の役所に直接(窓口か郵送で)請求すれば取れます。家系図づくりでは、広域交付と本籍地への請求を組み合わせるのが現実的です。
広域交付でできないこと一覧
| できないこと | 理由・根拠 | 代わりの方法 |
|---|---|---|
| 委任状による代理人の請求 | 郵送や代理人による請求はできない(法務省) | 本籍地の役所なら委任状で代理請求できる |
| 成年後見人など法定代理人の請求 | 法定代理人による請求もできない(横浜市) | 本籍地の役所に請求 |
| 郵送での請求 | 窓口のみ(法務省) | 本籍地の役所に郵送で請求(郵送請求の方法) |
| コンビニでの取得 | 広域交付の対象外(相模原市) | 本籍地の自治体がコンビニ交付に対応していれば、別の制度として使える |
| 兄弟姉妹の戸籍(別の戸籍に移った人) | 請求できる人は本人・配偶者・直系のみ(法務省) | 本籍地の役所へ。ただし請求できる場合が限られる |
| 一部事項証明書・個人事項証明書(抄本) | 請求できない(法務省) | 本籍地の役所に請求 |
| 戸籍の附票の写し | 広域交付の対象外(横浜市・相模原市) | 本籍地の役所に請求 |
| 独身証明書・身分証明書 | 広域交付の対象外(横浜市・相模原市) | 本籍地の役所に請求 |
| コンピュータ化されていない戸籍・除籍 | 請求できない(法務省) | 本籍地の役所に請求 |
| 第三者請求・士業の職務上請求 | 広域交付の対象外(相模原市) | 本籍地の役所に請求 |
法律でも、広域交付の請求には郵送での送付の規定と代理人の規定を当てはめないと書かれています(戸籍法 第120条の2第2項)。
委任状があっても代理はできない
広域交付では、委任状を持った家族でも代わりに請求できません。成年後見人などの法定代理人も同じです(横浜市)。窓口では、請求する本人が顔写真付きの本人確認書類を見せる必要があります。使えるのは運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなどです(法務省)。
横浜市と相模原市は、健康保険の資格確認書や年金手帳などを何枚か出しても、広域交付の請求はできないと案内しています。顔写真付きの証明書を持っていない人は注意してください。
親の代わりに祖父母の戸籍を取りたい、といった場合は、本籍地の役所に委任状をつけて請求します。本籍地の役所であれば、本人などが作った委任状で代理人が請求できます(法務省「戸籍のABC」Q6)。
郵送・コンビニでは取れない
広域交付は窓口だけの制度です。郵送やオンラインでは請求できません(横浜市)。遠方の本籍地へ郵送で請求するのは、広域交付ではなく、これまでからある本籍地への郵送請求です。
コンビニ交付も広域交付とは別の制度です。コンビニで取れる戸籍証明書には、次のような制限があります。
- マイナンバーカード(利用者証明用電子証明書つき)が必要で、本籍地の自治体がコンビニ交付に対応していることが前提です
- 除籍・改製原戸籍は取れません(世田谷区、仙台市)
- 本籍地と住所地が違う人は、事前の利用登録が必要な自治体や、そもそも使えない自治体があります(世田谷区は事前登録、仙台市は発行不可)
家系図に必要なのは古い除籍や改製原戸籍が中心なので、コンビニ交付はほとんど役に立ちません。今の自分の戸籍を1通取るときに便利、くらいに考えておくとよいでしょう。
兄弟姉妹・おじ・おばの戸籍は取れない
広域交付で請求できるのは、本人、配偶者、父母・祖父母などの直系尊属、子・孫などの直系卑属だけです(法務省)。法務省のリーフレットにも、きょうだいの戸籍は請求できないと書かれています。
ただし、兄弟姉妹が自分と同じ戸籍に載っている場合は別です。相模原市は、広域交付で請求できないのは「戸籍を異にする兄弟姉妹」の戸籍だと案内しています。たとえば父の戸籍に自分と兄が載っていれば、その戸籍は自分の直系の戸籍として取れます。取れないのは、兄が結婚して作った新しい戸籍のほうです。
本籍地の役所に請求する場合も、兄弟姉妹やおじ・おばは「本人等」には入りません。それ以外の人が請求できるのは、権利の行使や義務の履行に必要な場合、国や自治体に提出する場合、その他正当な理由がある場合に限られ、理由を具体的に書く必要があります(戸籍法 第10条の2)。家系図づくりという目的がこれに当たるかは、請求先の役所の判断です。事前に本籍地の戸籍担当に問い合わせてください。
附票・抄本・紙のままの戸籍は取れない
戸籍の附票と抄本
戸籍の附票は、その戸籍に入っている人の住所の移り変わりを記録したものです(住民基本台帳法 第16条・第17条)。先祖がどこに住んでいたかの手がかりになりますが、広域交付では取れません。本籍地の役所に請求します(横浜市)。
一部事項証明書・個人事項証明書(抄本=戸籍の中の一部の人だけを写したもの)も、広域交付では取れません。広域交付で取れるのは、戸籍全体を写した戸籍証明書と除籍証明書です(法務省)。家系図づくりでは、同じ戸籍に載っている兄弟姉妹や配偶者まで分かる「全部(謄本)」のほうが役に立つので、困る場面は少ないはずです。
コンピュータ化されていない戸籍
コンピュータ化されていない一部の戸籍・除籍は、広域交付の対象外です(法務省)。相模原市も「電子ファイル化されておらず紙の状態で保管されている除籍謄本等は対象外」と案内しています。
一方、電子化されている古い戸籍は取れます。横浜市は、広域交付で交付できるものとして戸籍全部事項証明書のほか、除籍全部事項証明書・除籍謄本・改製原戸籍謄本を挙げています。どの戸籍が電子化されているかは本籍地ごとに違うので、窓口で「取れないものがあれば教えてほしい」と頼んでおくと、あとで本籍地に請求する分が分かります。
古い戸籍の種類は、除籍謄本とはと改製原戸籍とはで説明しています。
その日のうちに受け取れないこともある
広域交付は、本籍地の市区町村への確認が必要になることがあり、時間がかかったり当日に発行できなかったりする場合があります(相模原市)。横浜市も、証明書の数や窓口の混雑によっては後日のお渡しになると案内しています。出生までさかのぼって古い戸籍をまとめて請求すると、再来庁が必要になる場合があると案内している自治体もあります(札幌市、北九州市)。
受付時間も自治体ごとに違います。横浜市は区役所戸籍課のみの取り扱いで、平日8時45分から17時までです。行く前に、住んでいる市区町村のページで受付時間を確かめてください。
広域交付を使った全体の進め方は自分で家系図を作る方法にまとめました。請求の伝え方は市役所で家系図用に戸籍を請求する方法で説明しています。
本人が窓口に行けないときは
平日に窓口へ行けない、遠方の本籍地が多い、兄弟姉妹の家系まで調べたい。広域交付でできないことが多いと感じたら、戸籍の取り寄せから任せられる代行会社もあります。料金や内容の違いは代行会社の比較で並べています。
家族の木エクセルあすなら総合事務所
- 料金
- 38,000円〜(シンプルプラン・1系統・送料込)
- できあがるもの
- 普通紙A3の家系図など(シンプル)。お勧めプラン(50,600円〜)は伊勢和紙A3の家系図・家系譜・年表・保管箱など
- 納期の目安
- 公式サイトでご確認ください
- 戸籍以外の調査
- 公式サイトに記載なし
戸籍の取得件数にかかわらない定額制で、戸籍は郵送で取り寄せるため全国に対応すると書かれています。
最終更新:2026-10-27