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本家と分家の違い|意味と今の法律での扱い

本家は一族の元になった家、分家は本家から分かれて新しく立てられた家です。

戦前の民法では「家」が法律上の仕組みで、分家も法律上の手続きでした。今の民法と戸籍法には「本家」「分家」の決まりはなく、親戚の間の呼び方として残っている言葉です。

本家・分家の意味

言葉 意味
本家(ほんけ) 一族の元になった家。家を継いだ人の系統
分家(ぶんけ) 家族の一人が本家から分かれて立てた家
総本家(そうほんけ) 分家がさらに分家を出しているとき、いちばん元の本家
宗家(そうけ) 一族の中心となる家。茶道や能などの家元を指すこともある

本家には、先祖代々のお墓や仏壇、古い書き付けが残っていることが多く、法事の会場になることもあります。地域によっては、分家を「新宅」「新家」などと呼ぶこともあります。

どの家が本家かは、親戚の間の言い伝えで決まっていることがほとんどです。届け出や登録があるわけではありません。

昔は法律上の仕組みだった(旧民法の「家」)

戦前の民法(旧民法)には、戸主(家の長)を中心にした「家」の制度がありました。戸籍も家ごとに作られ、戸主から見た続柄で家族が書かれていました。分家は、家族の一人が元の家から分かれて新しい家を立てることで、古い戸籍にも出てくる言葉です(古い戸籍の読み方と用語)。

この「家」の制度は、戦後に次の二段階でなくなりました。

時期 法律 内容
1947年(昭和22年)5月3日、日本国憲法の施行と同時 日本国憲法の施行に伴う民法の応急的措置に関する法律(昭和22年法律第74号) 第3条「戸主、家族その他家に関する規定は、これを適用しない。」(名古屋大学 法令データベースの条文)
1947年12月22日公布、1948年1月1日施行 民法の一部を改正する法律(昭和22年法律第222号) 親族編・相続編を全面的に書き改めた(衆議院 制定法律)

今の民法の附則(昭和22年法律第222号)には、「応急措置法施行前に分家又は廃絶家再興のため贈与された財産」という形で、分家が旧法の時代の出来事として出てくるだけです(民法 附則第31条)。

今の法律では本家・分家に決まりはない

今の民法と戸籍法の条文には、「本家」という言葉は出てきません。「分家」も、民法の附則に上のような形で一度出てくるだけです(e-Gov法令検索 民法・戸籍法の本文で確認)。

一つだけ、今の民法にも「家」の名残に近い決まりがあります。系譜・祭具・墳墓(家系図・仏壇・お墓など)は、相続財産とは別に、慣習に従って祖先の祭祀を主宰する人が引き継ぐという規定です(民法 第897条)。亡くなった人が引き継ぐ人を指定していればその人が、慣習も分からなければ家庭裁判所が決めます。ここでも「本家の人が継ぐ」とは書かれておらず、決め手は指定と慣習です。

「分家住宅」は意味の違う言葉

不動産や家を建てる話で出てくる「分家住宅」は、ここまでの本家・分家とは意味が違う、都市計画の言葉です。

福岡市は分家住宅を、原則として建物を建てられない市街化調整区域で、線引き(区域が決まった日)より前から暮らしている本家から世帯が分かれて、分家の世帯が新たに必要とする住宅、と説明しています(福岡市 よくある質問)。認められる条件は自治体ごとに違うので、土地のある市や県の窓口で確かめてください。

家系図での本家・分家の書き方

家系図で本家・分家を書き分ける公式のルールはありません。次のように書くと、見た人に伝わりやすくなります。

自分の家が本家なのか分家なのか分からないときは、戸籍をさかのぼると手がかりが出てきます。明治・大正の戸籍には分家の記録が残っていることがあり、いつ・どの家から分かれたかが分かる場合があります。戸籍の集め方は自分で家系図を作る方法、線のつなぎ方は家系図の書き方をご覧ください。戸籍より前の時代は、本家に残る過去帳や菩提寺が手がかりになります(お寺の過去帳で調べる)。

最終更新:2026-10-28