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旧姓の調べ方|母や祖母の旧姓は戸籍のどこで分かるか

母の旧姓は、**母が載っている戸籍(父と母が結婚してできた戸籍)**を取り、母の欄の「婚姻」の記載を見れば分かります。そこに書かれた「従前戸籍」が結婚前の戸籍で、その筆頭者の名字が母の旧姓です。母の欄の【父】【母】に書かれた実家の両親の名前も手がかりになります。

母や祖母は自分の直系なので、子や孫は戸籍を請求できます(戸籍法 第10条)。亡くなっていても同じです。

戸籍には「どこから来たか」が書かれる

戸籍には、一人ひとりについて、実の父母の名前や、戸籍に入った理由と日付を書くことになっています。ほかの戸籍から入ってきた人については、元の戸籍の表示も書かれます(戸籍法 第13条)。婚姻の記載は、夫と妻の両方の身分事項欄(一人ひとりの出来事を書く欄)に書かれます(戸籍法施行規則 第35条)。

また、1つの戸籍は「夫婦と、同じ名字の子」ごとに作られます(戸籍法 第6条)。このため、結婚前の戸籍の筆頭者の名字が、結婚前の名字(旧姓)になるのがふつうです。

戸籍のどこを見るか(見本で確認)

神戸市が公開している戸籍の見本では、夫の名字を名乗って結婚した妻「花子さん」の欄が次のようになっています(神戸市の資料)。

戸籍の種類 見る場所 見本の記載
今の横書きの戸籍(コンピュータ化された戸籍) 妻の欄の【父】【母】 【父】摩耶 山男【母】摩耶 海江【続柄】三女
同上 妻の身分事項欄の「婚姻」 【婚姻日】昭和45年7月15日【配偶者氏名】神戸 太郎【従前戸籍】兵庫県神戸市垂水区平磯4丁目25番地 摩耶 山男
古い縦書きの戸籍(改製原戸籍) 妻の欄の婚姻の記載 「神戸太郎と婚姻届出」に続けて、結婚前の本籍と「摩耶山男戸籍から入籍」

どの形でも、花子さんの旧姓が「摩耶」で、実家の戸籍の筆頭者が父の摩耶山男さんだと分かります。古い戸籍の読み方は古い戸籍の読み方と用語にまとめました。

注意したいのは、自分の戸籍の【母】欄だけでは旧姓は分からないことです。同じ見本で、夫の太郎さんの欄の【母】は「神戸 立子」と、結婚後の名字で書かれています。旧姓を知るには、母本人の欄を見る必要があります。

母の旧姓を調べる手順

  1. 父と母が結婚してできた戸籍を請求する
    夫の名字を名乗って結婚した場合は、父が筆頭者の戸籍です(戸籍法 第14条・第16条)。多くの場合、あなたが生まれたときに入っていた戸籍でもあります。自分の戸籍の「従前戸籍」を見れば、その本籍と筆頭者が分かります(本籍地の調べ方)。
  2. 母の欄の「婚姻」と【父】【母】を見る
    【従前戸籍】に書かれた筆頭者の名字が旧姓です。縦書きの戸籍なら「〇〇戸籍から入籍」の部分を探します。
  3. 必要なら母の実家の戸籍もたどる
    従前戸籍は、母方の祖父母の戸籍であることが多く、祖父母も直系なので請求できます(祖父母の戸籍謄本は孫が取れる?)。

電子化されている戸籍なら、本籍地が遠くても近くの役所の窓口でまとめて請求できます(法務省)。窓口での頼み方は市役所で家系図用に戸籍を請求する方法へ。

亡くなった親の旧姓を調べる

親が亡くなっても、戸籍の記載は「除籍」の印とともに残ります。戸籍法第10条の「戸籍に記載されている者」には戸籍から除かれた人も含まれるので、子は請求できます。載っている人が亡くなったり結婚したりして全員が抜けた戸籍は「除籍」になりますが、これも取れます(除籍謄本とは)。

気をつけたいのが、戸籍の**作り直し(改製)**です。神戸市の資料では、コンピュータ化で作り直したとき、その時点ですでに除籍になっていた人は新しい戸籍に記載されないと説明されています。母が作り直しより前に亡くなっていた場合は、作り直す前の戸籍(改製原戸籍)を請求してください(改製原戸籍とは)。作り直したあとも在籍していた人については、見本では婚姻と従前戸籍の記載が新しい戸籍に移されています。

離婚や死別で旧姓に戻った場合

離婚した場合 結婚で名字を変えた人は、協議離婚で結婚前の名字に戻ります。ただし、離婚の日から3か月以内に届け出れば、結婚中の名字を名乗り続けることもできます(民法 第767条)。「今の名字=旧姓」とは限らないということです。

旧姓に戻った人は、結婚前の戸籍に戻ります。その戸籍がすでに除かれているときや、本人が申し出たときは、新しい戸籍が作られます(戸籍法 第19条)。離婚の記載も夫と妻の両方の欄に書かれます(戸籍法施行規則 第35条)。まず結婚していたときの戸籍で母の欄の離婚の記載を確かめ、戻った先の戸籍(結婚前の戸籍か、新しく作った戸籍)を取ると、そこに元の戸籍の表示とあわせて旧姓に戻った記録が載っています(戸籍法 第13条)。移った先が読み取れないときは、請求先の役所に相談してください。

配偶者が亡くなった場合 夫婦の一方が亡くなったとき、残された配偶者は届け出によって結婚前の名字に戻ることができます(民法 第751条)。戻るときの戸籍の扱いは離婚と同じです(戸籍法 第19条第2項)。

再婚している場合 再婚した人の従前戸籍は、前の結婚の戸籍や、離婚後に作った本人が筆頭者の戸籍のことがあります。その場合は従前戸籍をもう1つさかのぼり、生まれたときの戸籍まで行くと、生まれたときの名字が分かります。家系図での書き方は離婚・再婚・養子・亡くなった人の書き方を参考にしてください。

祖母・曾祖母の旧姓

祖母や曾祖母の旧姓も、同じようにその人が妻として載っている戸籍の婚姻の記載を見ます。祖母・曾祖母は直系なので、孫・ひ孫が請求できます。

戦前の戸籍は「戸主」を中心にした戸籍で、夫婦と子以外の続き柄の人も載っています(神戸市の資料)。妻の欄の婚姻の記載に「〇〇戸籍から入籍」とあれば、その〇〇が結婚前の戸籍の戸主(筆頭者)です。くずし字で読みにくいときは、人の名前・地名・「入籍」の文字だけ拾っていくと見当がつきます(古い戸籍の読み方と用語)。

旧姓を調べられる人・調べられない人

だれの旧姓か 自分で戸籍を請求できるか
母・祖母・曾祖母(直系) できる(戸籍法第10条)
配偶者の母(義母) 自分ではできない。配偶者本人が請求する
おば・大おばなど 原則できない(戸籍法 第10条の2)

直系でない人の戸籍は、正当な理由などを示した場合に限られ、家系図づくりが認められるかは請求先の役所の判断です(広域交付でできないこと)。

旧姓が分かると、母方の名字のルーツや家紋を調べる入口にもなります(名字のルーツの調べ方、先祖の調べ方)。戸籍を自分で読むのが不安なら、読み方と取り方をまとめた本が手元にあると安心です。

本

すぐわかる戸籍の読み方・取り方・調べ方

丸山学/成美堂出版(2012年)

古い戸籍の読み方と取り方に絞った本です。手書きの戸籍を読み解くところでつまずいたときに役立ちます。

書誌情報を見る

母方・父方の両方を出生までさかのぼるのが大変なら、戸籍の収集から頼める代行会社の比較も見てください。

最終更新:2026-10-28